はじめまして。名無しのマーケターです。私は現在、SNS・心理マーケティング分析を専門とするコンサルタントとして活動していますが、最初の頃は本当にひどいものでした。

5年前、私は「月収100万円を稼ぐTwitterマーケティング」という情報商材に10万円を投資しました。内容は確かに「正しい」テクニックばかり。ハッシュタグの使い方、投稿時間の最適化、エンゲージメント率を上げる文章術…。マニュアルは200ページを超え、動画教材も充実していました。

私は真面目に実践しました。毎朝6時に起き、推奨された時間に投稿。トレンドハッシュタグを分析し、エンゲージメント率を高める文章パターンを試し続けました。

それどころか、毎日テクニックを試すことに疲れ果てていました。「なぜうまくいかないのか？」と自問する日々。今思えば、私は「手順」は知っていても、なぜそれをやるのかという「本質」を全く理解していなかったんです。

先日、私がサポートしているコンサル生の一人から、まったく同じ報告を受けました。「先生、YouTubeで見つけたマーケティング手法を3つ試したんですが、全然うまくいきません。何が間違っているんでしょうか？」

彼の話を聞いていて、ハッとしました。彼は確かに「正しい」テクニックを使っていたのです。SNS投稿のタイミング、キャッチコピーの書き方、ターゲット設定の方法。どれも理論的には間違っていない。でも、結果は出ない。

実は、これは彼だけの問題ではありませんでした。私がこれまでサポートしてきた数百人のクライアントの多くが、同じ壁にぶつかっていたのです。

市場には「すぐに結果が出る魔法の方法」を謳う情報が溢れています。でもそれらの多くは、本当に大切な部分を省略して、表面的なテクニックだけを切り取って販売している。これでは結果が出るわけがありません。

私がコンサル生たちとの対話を通じて発見したのは、成功への道のりには「見えない階段」が存在するということです。多くの人がこの階段の存在に気づかないまま、いきなり頂上を目指そうとして挫折してしまう。

あなたも、もしかすると同じような経験をお持ちではないでしょうか？

テクニックでうまくいかなかった私は、次に「とにかくフォロワーを増やせば稼げる」と考えました。これが第2段階の罠です。

相互フォローを繰り返し、トレンドに便乗した投稿を量産。バズりそうなネタを探し、時には炎上ギリギリの発言もしました。半年で3000人までフォロワーを増やしたときは、正直嬉しかったです。「これで稼げる」と思いました。

3000人のフォロワーがいるのに、いいねは10個程度。コメントなんてほとんどありません。アフィリエイトリンクを貼っても、クリック数は一桁。収益は相変わらずゼロでした。

この時、私は重要な事実に気づきました。「数字は稼いでくれない」ということです。

フォロワー3000人という数字は、私の自己満足でしかありませんでした。彼らは私の投稿に興味がなく、ただトレンドやバズに反応しただけ。本当の意味での「ファン」は一人もいなかったのです。

日本におけるSNSマーケティングの調査データによれば、フォロワー1万人未満のアカウントでも、エンゲージメント率が3%以上あれば十分な収益化が可能だとされています。つまり、数ではなく「質」が重要なのです。

しかし当時の私には、この本質が見えていませんでした。

転機が訪れたのは、あるフォロワーからのDMでした。

「いつも投稿を見ていますが、正直何が言いたいのかわかりません」

私は自分のことばかり考えて、読者が何を求めているかを全く考えていなかったんです。投稿内容は「自分が発信したいこと」ばかりで、「読者が知りたいこと」ではありませんでした。

そこから、私は根本的な発想を転換しました。

• 投稿前に「これは誰の、どんな悩みを解決するのか？」と自問する
• 自分の成功体験ではなく、読者の失敗を防ぐ情報を発信する
• 「すごいでしょ？」ではなく「あなたも同じ結果を出せます」というメッセージに変える

この変化により、フォロワー数は3000人から2500人に減りました。しかし、エンゲージメントは劇的に改善。いいね数は10倍、コメントは0から平均5件になり、何よりDMで「参考になりました」「実践してみます」という声が届くようになったのです。

この経験を通じて分かったのは、多くの人が私と同じように「見えない階段」でつまずいているということ。そして、その階段の存在に気づかずに、表面的なテクニックばかりを追い求めているということです。

ここからの成長スピードは、自分でも驚くほどでした。月1万円達成から6ヶ月後には月50万円を超えていたのです。

なぜこんなに加速したのか？理由は明確でした。

多くの情報発信者は「月50万円稼ぐ7つのステップ」のような表面的なノウハウを教えます。しかし実際は、顧客洞察力と価値提供力という「見えない能力」を身につけることで、収益は自然とついてきます。

テクニックを追いかけていた頃の私には、この構造が全く見えていませんでした。でも今なら断言できます。お客様の課題解決に本気で取り組めば、必ず成果はついてきます。

ここまで私の体験談をお話ししてきましたが、なぜこんなにも多くの人が「見えない階段」に気づけないのでしょうか？実は、これには市場全体の構造的な問題が深く関わっています。

即効性を売る販売者と、即効性を求める顧客の悪循環

現在のビジネス教育市場を見てみてください。「30日で月収100万円」「たった3つのテクニックで売上10倍」こんなキャッチコピーが溢れかえっています。

なぜこうなるのか？答えは単純です。「即効性のあるテクニック」の方が圧倒的に売れるからです。

販売者の立場で考えてみてください。「3年かけてじっくり基礎から学びましょう」という商品と「30日で結果が出ます」という商品、どちらが売れると思いますか？間違いなく後者です。

本質を教えない構造的理由

実際、私も情報商材を購入していた頃、こんな経験がありました。ある高額セミナーで講師が「今日は時間が限られているので、すぐに使えるテクニックを中心にお話しします」と言ったんです。

参加者は大満足でした。でも今思えば、その講師は意図的に基礎部分を省略していたんです。基礎を教えると時間がかかるし、受講者も退屈に感じてしまう。結果として、評判を下げるリスクがあるからです。

現代社会の「待てない」文化

さらに深刻なのは、私たち現代人の「待てない」文化です。SNSで瞬時に情報が手に入り、動画は倍速で視聴し、すべてを効率化しようとする。

この環境では、「まずは3ヶ月間、基礎固めをしましょう」という提案は受け入れられにくいんです。みんな「もっと早い方法があるはず」と思ってしまう。

歪んだ市場構造の真実

つまり、現在の市場は販売者と購入者の双方が本質的な解決を避けて、表面的なテクニックに依存する構造になっているんです。

販売者は売上のために即効性を謳い、購入者は楽な道を求める。この悪循環の中では、本当に価値のある「基礎から積み上げる教育」が軽視されてしまいます。

でも安心してください。この構造を理解できれば、あなたは確実に「見えない階段」を発見し、着実に登っていくことができます。

ここまでの話で、なぜこの「7つの階段」が見えにくいのか、そして私自身がどのようにしてこの階段を駆け上がってきたのかをお伝えしました。

しかし、正直に言います。この記事だけでは、各段階で「具体的に何をすればいいのか」までは語りきれません。

例えば、第3段階の「価値提供への覚醒」。これは単に「相手の立場になって考えよう」という精神論ではありません。どんな質問を自分に投げかけるべきなのか、どうやって相手の真の悩みを見つけるのか、そして価値提供を仕組み化する具体的なステップがあります。

第4段階のPDCAサイクルも同じです。「検証しましょう」「改善しましょう」と言うのは簡単ですが、何を指標にして、どう数値を読み取り、どんなタイミングで軌道修正するのか。ここには細かな技術が必要なんです。

思考停止が最大の敵

もしあなたが今「なんとなく理解できた」と感じているなら、それは危険信号かもしれません。理解と実践の間には、深い谷があります。

本気で変わりたいなら、今すぐ行動してください。明日やろうと思った瞬間、この機会は過去のものになります。