SNS心理マーケティング分析を専門とする名無しのマーケターです。

先日、僕のコンサル生から驚きの報告が届きました。

「名無しさん、週2投稿に変えてから売上が3倍になりました！」

この報告を聞いた時、正直言って複雑な気持ちになりました。なぜなら、彼は以前毎日投稿を続けて疲弊していた一人だったからです。

実は、僕自身も同じ道を辿った経験があります。

3年前、「毎日投稿しないと埋もれる」「アルゴリズムに愛されるには投稿頻度が全て」そんな情報に踊らされ、必死に毎日投稿を続けていました。

結果はどうだったか？

・フォロワーは微増するものの売上につながらない
・ネタ切れで内容が薄くなる
・投稿のことで頭がいっぱいで本業に集中できない
・「今日も投稿しなきゃ」というプレッシャーで精神的に追い詰められる

完全に本末転倒でした。

市場には「毎日投稿すれば成功する」という表面的なノウハウが溢れています。しかし、これらの手法に振り回されている経営者や個人事業主があまりにも多すぎる。

僕のコンサル生も、まさにこの罠にはまっていました。

毎日投稿に疲れ果て、「もうSNSをやめようか」と相談してきた彼が、なぜ週2投稿で売上3倍を実現できたのか？

その答えには、多くの人が見落としている本質的な原理が隠されています。

実際、僕も過去に完全に数字の奴隷になっていた時期がありました。

毎朝起きて最初にすることは、フォロワー数の確認。
投稿後は30分おきにいいね数をチェック。
夜は「今日のエンゲージメント率はどうだった？」と分析の繰り返し。

当時の僕の頭の中はこんな感じでした：

「昨日より3いいね少ない…なぜだ？」
「フォロワー1000人突破まであと27人」
「この投稿、伸びが悪いな。アルゴリズムに嫌われたかも」

振り返ると、完全に病気でしたね。

最も印象的だったのは、ある投稿が普段の3倍「いいね」をもらった日のことです。僕は舞い上がって、同じようなネタで5日連続投稿しました。

結果？

フォロワーは増えるどころか減り始め、エンゲージメント率は急降下。何より、僕自身が「数字を追いかける機械」になっていることに気づいたんです。

その時、ハッと気づきました。

「僕は一体、何のためにSNSをやっているんだ？」

数字に一喜一憂する毎日で、本来の目的である「価値提供」が完全に抜け落ちていたんです。

実は、これこそが現代のSNS市場が抱える最大の構造的問題なんです。

各プラットフォームは「エンゲージメント」を最重要指標として設計されています。いいね数、シェア数、コメント数…これらの数字が高い投稿ほど多くの人に表示される仕組み。

一見合理的に思えるこのシステムが、実は発信者を数字中毒に陥れる罠なんです。

「数字が良い＝価値のあるコンテンツ」
「数字が悪い＝価値のないコンテンツ」

この思い込みが、僕たちを苦しめる元凶でした。

毎日投稿で消耗していた理由も、まさにこれ。数字を維持するために量産体制に入り、質を犠牲にして「とりあえず何か投稿しなきゃ」状態になっていたんです。

結果として、読者にとって本当に価値のあるコンテンツを作る時間も、考える余裕もなくなる。これが数字至上主義の恐ろしい落とし穴でした。

数字の罠から抜け出した僕が次に気づいたのは、SNSマーケティング業界そのものの構造的問題でした。

なぜ僕たちは、こんなにも表面的な手法に振り回され続けるのか？

その答えは、この業界が「テンプレートビジネス」で成り立っているからです。

考えてみてください。あなたがこれまでに購入したSNSノウハウ。ほとんどが「誰でも使える型」として売られていませんでしたか？

「バズる投稿テンプレート10選」
「フォロワー1万人までの完全ロードマップ」
「売れる投稿の黄金パターン」

これらの共通点は何か？すべて「再現性」を謳っている点です。

実はここに大きな嘘があります。

販売者側の事情を暴露しましょう。彼らがテンプレートを売る理由は3つです：

1. 大量販売が可能（同じコンテンツを何千人にも売れる）
2. 制作コストが安い（一度作れば使い回し）
3. 責任回避ができる（「やり方は教えた」と言える）

一方で、あなたのような購入者は個別性のあるビジネスを展開しているはずです。業界も、ターゲットも、商品も、競合も違う。それなのに、同じテンプレートで結果が出るわけがないのです。

僕の過去のコンサル生で、ある美容サロンの経営者がいました。彼女は「飲食店向けSNS集客法」を購入し、必死に実践していました。料理の写真投稿テンプレートを美容施術に当てはめようとして。

結果は惨敗でした。

でも彼女は自分を責めていました。「私の実行力が足りないんだ」と。

違います。そもそも設計が間違っているんです。

この業界の最大の問題は、本質的な戦略構築ではなく、表面的なテクニック販売に偏重していることです。戦略は個別性が必要で手間がかかるため、販売者は避けたがります。

しかし、購入者は本来、戦略こそ必要としているのです。

テンプレートが機能しない根本的な理由は、「顧客心理の個別性」を完全に無視しているからなんです。

数字の罠とテンプレートの限界に気づいた僕が、次に辿り着いたのは「本質的アプローチ」でした。

きっかけは、ある心理学の研究論文でした。

「人は情報の量ではなく、質で行動を決める」

この一文が、僕のSNS観を180度変えました。

考えてみてください。あなたが最後に何かを購入した時のことを。

1000個のレビューを読んだから買ったのでしょうか？
それとも、1つの心に響く体験談に共感したからでしょうか？

答えは明らかに後者です。

僕はそれまで「多くの人に届けるために毎日投稿」していました。でも実際は「特定の誰かの心に深く届ける週2投稿」の方が、圧倒的に売上につながったんです。

これが本質的アプローチの第一歩でした。

これまでお話ししてきたSNSマーケティングの真実をまとめると：

数字の罠、テンプレートビジネスの正体、本質的アプローチの威力、そして具体的な実践方法。

読んでくださったあなたは、今どんな気持ちでしょうか？

「やっぱりそうだったのか」と感じたでしょうか？
それとも「でも、テンプレートの方が楽だし…」と思ったでしょうか？

正直に言います。

ここからが分かれ道です。

選択肢は2つしかありません。

どちらを選ぶかは、あなた次第です。