法務部出身の私が教えるSNS副業の法的リスク完全回避マニュアル

はじめまして。企業法務を10年経験した後、現在はフリーランスとして法的リスクマネジメントのコンサルティングを行っている、名無しのマーケターです。

今日は、私のコンサル生から聞いた衝撃的な体験談をシェアしたいと思います。この話は、SNS副業で成功していた方が一夜にして全てを失った実話です。法務の現場で数々のトラブルを見てきた私でも、正直言って言葉を失いました。

彼をK氏とします。K氏は会社員をしながら、InstagramとTikTokでアフィリエイト収入を得ていました。フォロワーは合計8万人、月収は安定して30万円を超えていたそうです。

「もう会社を辞めても大丈夫だと思っていました」

K氏がそう話していたのは、昨年の11月のことでした。ところが、その僅か2週間後。彼から緊急の連絡が入ったのです。

「田中さん、大変なことになりました。アカウントが全部凍結されて…」

電話の向こうで、K氏の声は震えていました。Instagram、TikTok、さらにはYouTubeのサブアカウントまで、全て同時に凍結されたのです。

原因は「ステルスマーケティング規制違反」でした。K氏は商品紹介の際、「#PR」や「#広告」といった表示を付けていませんでした。当時の彼にとって、それは「些細なルール」に過ぎなかったのです。

「まさか、これだけで全てが終わるなんて思いませんでした」

K氏の月収30万円は、文字通り一夜で0円になりました。それまで積み上げてきた8万人のフォロワー、数百本のコンテンツ、そして何より大切な収入源。全てが消えたのです。

法務の世界では「規約違反は契約違反」です。プラットフォーム側には、違反者のアカウントを削除する正当な権利があります。これは法的に完全に有効な措置なのです。

現在、SNS副業に取り組む多くの方が、K氏と同じリスクを抱えています。「知らなかった」では済まされない法的現実が、そこにはあるのです。

前章でお話しした佐藤さんの事例は、実は氷山の一角に過ぎません。

法務の現場で数多くの企業トラブルを見てきた私が、SNS副業業界に足を踏み入れて最初に感じたのは「異常なまでの規約軽視」でした。

実際に調査してみると、驚愕の事実が判明しました。

市場に出回っているSNS副業教材の99%が、プラットフォームの規約について「まともに」言及していないのです。言及があったとしても「規約は変わるから気にするな」程度の軽い扱いです。

なぜこんな状況が生まれているのか？

答えは単純です。「規約を守った手法では、派手な成果事例を作れないから」です。

例えば、Instagramでフォロワーを1万人獲得するのに、規約を完全に守った場合は通常6ヶ月から1年かかります。しかし、自動化ツールや相互フォローの大量実行を使えば1ヶ月で達成可能です。

指導者の立場で考えてみてください。
「規約を守って6ヶ月かけてフォロワー1万人」
「禁止手法で1ヶ月でフォロワー1万人」

どちらが受講生を集めやすいでしょうか？

私が業界関係者から聞いた話では、多くの指導者は「バレるまでの短期勝負」と考えているそうです。つまり、受講生がアカウント停止になることを前提に、それまでに回収できればOKという思考なのです。

この構造的な問題により、K氏のような被害者が量産され続けています。

次章では、この業界の「常識」とされている手法が、実際にどれだけリスクが高いのかを具体的に分析していきます。

ステップ1：Instagram – 最も厳格な収益化監視システム

実はInstagramが最も規約違反の取り締まりが厳しいプラットフォームです。特に注意すべきは「過度な営業行為」の判定基準。DMでの商品紹介、ストーリーでの頻繁な宣伝、プロフィールリンクの不適切な使用など、一見問題なさそうな行為でも累積すると一発アウトになります。

私のコンサル生の中にも、投稿の70%が商品紹介だった方が「スパムアカウント」認定され、フォロワー3万人のアカウントを失った事例があります。

ステップ2：Twitter – 拡散力が裏目に出るリスク

Twitterの怖さは拡散力の高さです。規約違反投稿が一度バズると、プラットフォーム側の監視に引っかかる確率が急激に上がります。特に「誤解を招く情報」「投資勧誘に該当する内容」は即座に凍結対象となります。

「月収100万円達成しました！」といった投稿でも、根拠が不十分だと「虚偽の投資情報」として処理される可能性があります。

ステップ3：YouTube – 収益化剥奪の3つのパターン

法務目線で見ると、YouTube収益化剥奪は主に3パターンに分かれます。

1. コンテンツガイドライン違反（過度な商品宣伝）
2. 著作権侵害（BGM、画像の無断使用）
3. 再利用コンテンツ（他人の動画の編集投稿）

特に3番目は盲点で、「まとめ動画」「反応動画」も条件次第では再利用コンテンツ扱いされます。

TikTok：中国系プラットフォーム特有のリスク

TikTokは他のプラットフォームと異なり、中国系企業の運営という特殊性があります。規約の解釈や適用基準が突然変更されるリスクが高く、特に政治的内容や他のSNSへの誘導に対して非常に敏感です。

実際に、プロフィールに他のSNSアカウントを記載しただけでシャドウバンされた事例も確認しています。

会社員の落とし穴：就業規則違反

最も多いのが「副業禁止規定」の見落としです。「SNSなら会社にバレない」と考えがちですが、実際には：

• 確定申告時の住民税額変動で発覚
• 同僚のSNSアカウント発見からの内部通報
• 副業収入の振込履歴調査

で露見するケースが多発しています。就業規則の「事前許可制」を無視すると、最悪の場合は懲戒処分の対象になります。

主婦の落とし穴：扶養から外れるリスク

「お小遣い稼ぎのつもりが扶養控除対象外に」というケースです。年間所得48万円（給与なら103万円）を超えると配偶者控除が使えなくなり、世帯全体の税負担が急増します。

さらに、年収130万円を超えると社会保険の扶養からも外れ、国民健康保険と国民年金の支払い義務が発生します。月3万円稼いでも、年間で見ると実質マイナスになる可能性があります。

学生の落とし穴：アルバイト規定との重複

大学のアルバイト許可制度を軽視するケースが増えています。多くの大学では：

• 週28時間以内の労働時間制限
• 風俗営業類似業務の禁止
• 事前届出制度

があります。SNS副業が「業務委託」でも、実質的に労働とみなされ規定違反になる場合があります。

フリーランスの落とし穴：二重課税問題

既存事業との区分けが曖昧になり、確定申告時に混乱するケースです。特に：

• SNS副業収入の事業所得・雑所得の判定
• 経費計上の按分方法
• 消費税課税事業者判定への影響

で税務調査のリスクが高まります。

立場に応じたリスク管理こそが、長期的にSNS副業で成功する秘訣です。

これまで4つの章で様々なリスクをお伝えしてきましたが、「法的知識って面倒くさいな」と感じている方も多いかもしれません。

しかし、私のもう一人のコンサル生・山田さん（仮名）の事例を聞けば、考え方が180度変わるはずです。

山田さんは元々、月収15万円程度のInstagramアフィリエイターでした。しかし、私の法的コンサルティングを受けてから、わずか6ヶ月で月収50万円を達成し、現在も安定してその水準を維持しています。

彼が行ったのは「法的知識を競合優位性に変える」という逆転の発想でした。

具体的には、まずInstagramの投稿に「薬機法適合済み」「景表法準拠」といった法的根拠を明記しました。これだけで、コンプライアンスを重視する企業からの案件オファーが急増したのです。

さらに、アフィリエイト投稿では必要な表示義務を完璧に守りつつ、「法的リスクゼロのアフィリエイター」として差別化。結果として、単価の高い長期案件を獲得できるようになりました。

彼の成功の秘訣は「法的知識を面倒な制約ではなく、差別化の武器として活用した」ことにあります。

規約や法律を正しく理解している人が少ないからこそ、そこに大きなチャンスが眠っているのです。

次の章からは、この「武器」をどう身につけるかの具体的なステップをお伝えしていきます。

前章で山田さんの成功事例をお話ししましたが、彼と最初のK氏を分けたものは何だったのでしょうか。

答えは「法的思考力」です。

法務時代、私は無数のトラブル案件を処理してきました。その中で気づいたのは、問題が起きてから相談に来る人と、事前に相談してくる人の決定的な違いでした。

事後相談の人たちの共通点は「知らなかった」という言葉でした。

• 「その規約があるなんて知らなかった」
• 「副業禁止だと知らなかった」
• 「確定申告が必要だと知らなかった」

しかし、法律の世界に「知らなかった」という免罪符は存在しません。

特にSNS副業の世界は変化が激しく、プラットフォーム規約も頻繁に更新されます。Instagram一つとっても、この1年で収益化関連の規約が3回変更されています。

「情報を知らないことによるリスク」は、今後ますます高くなっていくでしょう。