SNSでいいねが減った時こそ本物のファンが見つかる理由【体験談】

昨日、僕のコンサルティング生から一通のメッセージが届いた。件名を見た瞬間、また例の相談かと思った。「先生、大変なことになりました」

僕のもとには毎日のように、SNS運用で悩む経営者からの相談が舞い込む。そのほとんどが「いいね数が減った」「フォロワーが増えない」「エンゲージメント率が下がった」といった、表面的な数字に一喜一憂する内容だ。

正直言うと、こうした相談にはうんざりしている。なぜなら、彼らが追いかけているのは「見た目の数字」であって、「ビジネスの本質」ではないからだ。しかし今回のメッセージは違った。

この報告を読んだ時、僕は思わず笑みを浮かべた。ついに、この生徒が本当に大切なことを理解し始めたのだ。

あなたも今、似たような状況に陥っているのではないだろうか？投稿のいいね数が減って、不安で眠れない夜を過ごしている。「アルゴリズムが変わったのか」「投稿内容がダメなのか」と自分を責めている。

しかし、僕がこれから話すことを聞けば、その不安は完全に的外れだったことがわかるだろう。むしろ、いいね数の減少は、あなたのビジネスが正しい方向に向かっている証拠かもしれない。

なぜ、こんなことが起きるのか。そして、なぜ多くの人がSNSマーケティングで疲弊し続けるのか。その根本原因は、市場そのものの構造的問題にある。

今のSNSマーケティング市場を見渡してみてほしい。溢れかえっているのは「フォロワー1万人達成の秘訣」「バズる投稿の法則」「エンゲージメント率を上げる裏技」といった、表面的なテクニック論ばかりだ。

なぜこうなるのか。答えは単純だ。数字は見た目にわかりやすく、売りやすいからだ。

「フォロワー数を3倍にする方法」という商品と、「顧客との本質的関係性を構築する方法」という商品。どちらが売れると思う？圧倒的に前者だ。人間は具体的で即効性がありそうなものに飛びつく。販売者もそれを知っているから、数字を前面に押し出した商品を作り続ける。

その結果、市場には「いいね数至上主義」が蔓延した。フォロワー数、エンゲージメント率、インプレッション数…これらの指標が、まるでビジネスの成功そのものであるかのように語られている。

数字至上主義の最大の問題は、手段と目的を完全に履き違えさせることだ。SNSは本来、顧客との関係性を構築するためのツールに過ぎない。ところが、いつの間にか数字を追うこと自体が目的化してしまう。

その結果、多くの経営者が疲弊している。毎日投稿しているのに数字が上がらない。必死にトレンドを追いかけているのに反応が薄い。高額なSNSコンサルを受けているのに売上に繋がらない。

当然だ。売上に直結しない指標ばかり追いかけているのだから。

ここで、僕がこれまで見てきた具体的な失敗パターンを、立場別に整理してお話ししよう。あなたも、きっとどれかに当てはまるはずだ。

会社員の罠：「上司受けする数字」への執着

会社員の多くが陥るのは、KPIという名の呪縛だ。「今月のフォロワー増加率は？」「エンゲージメント率の推移は？」上司への報告で見栄えのする数字を追い求めるあまり、肝心のビジネス成果から目を逸らしてしまう。

先月相談に来た大手メーカーのマーケティング担当者は、フォロワー数を2万人まで増やしたことを誇らしげに語っていた。しかし蓋を開けてみると、獲得したのは同業他社の従業員ばかり。見込み客は皆無だった。

主婦の罠：「共感」という甘い麻薬

主婦層に多いのは、同じ境遇の人との共感を求めすぎる傾向だ。「育児あるある」「家事の悩み」で盛り上がり、いいねやコメントをもらって満足してしまう。しかし、共感だけでは1円も生まれない。

学生の罠：「バズること」への盲信

学生が最も陥りやすいのは、一発逆転を狙ったバズ狙いだ。トレンドを追いかけ、話題性のあるコンテンツばかりを投稿する。確かに一時的な注目は集まるが、それがビジネスに結びつくことは稀だ。

フリーランスの罠：「専門性」の過度なアピール

フリーランスは逆に、専門用語を多用しすぎて顧客を遠ざけてしまう。「自分がいかに優秀か」をアピールすることに必死で、顧客の悩みに寄り添うことを忘れている。

さて、ここまで散々、現在のSNSマーケティング市場の問題点を指摘してきた。しかし、僕は決して絶望を与えたいわけではない。実際に結果を出している人たちには、明確な共通点があるからだ。

それが「洞察力」だ。

冒頭で紹介したコンサル生も、この洞察力を身につけたからこそ、いいね数が半分になっても売上を3倍にできたのである。

では、この洞察力とは一体何なのか。

多くの人が勘違いしているが、洞察力とは「相手の心を読む超能力」ではない。それは、データと行動から相手の本当のニーズを読み取る技術だ。

例えば、あなたの投稿に「いいね」を押す人と、実際にDMを送ってくる人、そして最終的に商品を購入する人。この三者の行動パターンを分析できているだろうか。

彼の本当の見込み客は、投稿にはあまり反応しないが、ストーリーズをじっくり見て、たまにDMで質問してくる人たちだった。この層は全体の5%程度だったが、彼らのニーズを深く理解し、そこに向けてメッセージを最適化した結果、売上が3倍になったのだ。

これが洞察力の正体だ。表面的な数字に惑わされず、行動データから本質を読み取る力。そして、その本質に基づいてコミュニケーションを設計する力である。

ここまで読んでくれたあなたは、きっと気づいているはずだ。SNSマーケティングの本質は、テクニックの寄せ集めではない。体系的な思考法と実践プロセスにこそあることを。

今日お伝えした内容を実践すれば、以下の3つの成果を得られるはずだ：

冒頭のコンサル生も、最初は他の人と同じように数字に一喜一憂していた。しかし、体系的な学習を通じて本質的な思考法を身につけた結果、今では僕の指導なしでも自分で判断できるレベルまで成長している。

もしあなたが本気で変わりたいなら、断片的な情報収集をやめて、体系的な学習に取り組むべきだ。