努力は報われる?いいえ、SNSで結果が出ない本当の原因はもっとシンプルだった
第1章:努力は報われる?コンサル生の現実
正直に言おう。僕も「努力は報われる」という言葉を信じて、SNSマーケティングの世界に足を踏み入れた一人だった。
3年前、とあるインフルエンサーのコンサルを受けた。月額30万円。「毎日投稿すれば必ずフォロワーは増える」「継続こそが成功の鍵」そんな甘い言葉に踊らされていた。
毎日朝6時に起きて投稿内容を考え、昼休みにはエンゲージメント率をチェック。夜中まで他のアカウントにいいねを回り続ける。文字通り、SNSに人生を支配された365日を過ごした。
結果は?フォロワーは確かに増えた。1年で5000人ほど。数字だけ見れば成功だろう。でも現実は違った。DMで商品を紹介しても反応率は1%以下。セミナーを開いても集客はゼロ。増えたのは「数字」だけで、本当の意味での「ファン」は皆無だった。
気づいたんだ。僕は人と繋がることではなく、アルゴリズムと戦うことに夢中になっていた。相手の顔が見えない「いいね」を追いかけ、本質的な価値提供を忘れていた。
市場には「フォロワー1万人達成法」や「バズる投稿術」が溢れている。でも誰も教えてくれないことがある。それは、表面的な数字の向こう側にいる「人間」との関係性こそが、真の資産だということだ。
この現実に気づくまで、僕は100万円以上をコンサル費用に費やし、貴重な時間を無駄にした。同じ過ちを犯す人を一人でも減らしたい。だからこそ、業界の裏側で起きている「歪み」を、包み隠さず話していこうと思う。
第2章:合コンで見えた残酷な真実
SNSでの失敗に疲れ果てた僕は、友人に誘われて久しぶりに合コンに参加した。気分転換のつもりだった。
そこで僕は、SNSと全く同じ過ちを犯していることに気づく。
「僕、外資系コンサルで働いてるんです」「最近副業でSNSマーケティングもやってて」「年収は…」
相手の女性の表情が明らかに曇っていく。でも当時の僕は気づかなかった。必死に自分のスペックをアピールし続けた。
結果は惨敗。連絡先を交換できたのは一人だけ、しかもその後音信不通。
帰り道、隣にいた友人が一言。「お前、相手のこと全然見てなかったな」
ハッとした。確かに僕は、彼女たちの趣味も、仕事も、何に興味があるのかも聞いていなかった。ただひたすら自分の話ばかり。
「相手が何を求めているかわからないのに、自分の良さだけアピールしても響くわけないじゃん」
友人の言葉が胸に刺さった。これって、SNSと全く同じ構造じゃないか。
フォロワーが何を求めているか理解せずに、自分の実績や知識ばかり発信していた。合コンで自分のスペックを並べ立てるのと何も変わらない。
相手を理解しようとしない一方通行のコミュニケーション。これが僕の最大の問題だった。
SNSでも恋愛でも、相手ありきのコミュニケーション。当たり前のことなのに、なぜ僕はこんな基本を見失っていたんだろう。
その夜、僕は自分のSNS投稿を見返した。どれもこれも「僕すごいでしょ」アピールばかり。読み手のことを全く考えていない投稿の数々。
合コンの失敗が、SNSの本質的な問題を浮き彫りにした。自己PRの限界を痛感した瞬間だった。
第3章:なぜ彼はモテて、僕は無視されたのか
その合コンで、僕は決定的な瞬間を目撃した。
同席していたK君という男性が、まさに僕とは正反対の行動をとっていたのだ。
「え、そのネックレス可愛いですね。どこで買ったんですか?」
「看護師さんって大変ですよね。コロナ禍の時とか、本当にお疲れ様でした」
「あ、お箸落としちゃいましたね。店員さん呼びますよ」
K君は自分の話を一切しない。ひたすら相手に興味を示し、相手の状況を理解しようとしていた。
結果?女性陣の視線は完全にK君に集中していた。
僕が必死にアピールしている間、彼は相手の話を聞き、相手の気持ちに寄り添っていた。僕が「僕は」「僕の」と自分語りを続けている間、彼は「あなたは」「大変でしたね」と相手を主語にしていた。
この光景を見て、僕は愕然とした。
SNSでも同じだったのだ。僕は「僕の実績」「僕の知識」「僕のサービス」ばかり発信していた。でもフォロワーが求めていたのは、自分の悩みに共感してくれる人、自分の状況を理解してくれる人だったのだ。
K君は特別イケメンでもないし、年収が高いわけでもない。でも彼には決定的に僕に欠けていたものがあった。
「相手の立場に立って考える力」だ。
相手が何を感じているか、何に困っているか、何を求めているか。それを瞬時に察知し、適切に反応する能力。
これはテクニックではない。心からの関心と理解力だ。
その日僕は、人生で最も重要な洞察を得た。成功する人間の共通点は、努力の量でもスキルの高さでもない。相手のことを真剣に考え抜く力なのだと。
第4章:研究開始:観察が全てを変えた
その晩、家に帰った僕は興味深い仮説を立てた。
「K君の行動パターンをSNSに応用したら、どうなるだろう?」
彼がやっていたのは徹底的な「観察」だった。相手の小さな変化を見逃さず、相手が求めているものを察知し、それに応える。自分の話はその後だ。
SNSでも同じはずだ。フォロワーが何を求めているのか、どんなコンテンツに反応するのか、なぜその投稿にいいねを押したのか。
僕は徹底的にデータを観察し始めた。
エンゲージメント率の高い投稿を分析すると、面白いパターンが見えてきた。「年収1000万達成!」みたいな自慢投稿は伸びない。でも「失敗談」や「具体的な悩みの解決法」には確実に反応がある。
コメント欄も詳しく読んだ。「具体的な数字が知りたい」「もっと詳しく教えて」「僕も同じ悩みを抱えてました」
フォロワーは僕の自慢話なんて聞きたくない。彼らは自分の問題を解決してくれる情報が欲しいだけだった。
観察を続けて1ヶ月。投稿内容を完全に変えた。
「コンサル受けて100万円失った話」
「SNS運用で絶対やってはいけない3つのミス」
「フォロワー1000人以下の人が最初にやるべきこと」
結果は劇的だった。エンゲージメント率が3倍になり、フォロワー数も自然と増加していく。
何より面白いのは、この「観察する力」は仕事でも使えることがわかったことだ。クライアントが本当に求めているものを察知できるようになり、提案の質が格段に上がった。
人間理解の本質は、どの分野でも変わらない。相手を観察し、理解し、求めているものを提供する。たったそれだけのことだった。
第5章:数字が上がった本当の理由
観察を始めてから2ヶ月。僕のSNSアカウントに劇的な変化が起きた。
フォロワー数は3倍。エンゲージメント率は5倍。そして何より、DMで「ありがとうございます」「救われました」というメッセージが毎日届くようになった。
数字が上がった理由は単純明快だ。
僕は「自分が何を伝えたいか」ではなく「フォロワーが何を知りたがっているか」を徹底的に観察し始めた。コメント欄を隅々まで読み、どんな悩みが書かれているか分析した。リプライの感情を読み取り、なぜその人がそう感じるのかを考え抜いた。
合コンでK君がやっていたことそのものだった。
以前の僕は「外資系コンサルの僕が教える戦略思考」みたいな投稿をしていた。今思えば痛々しい。誰も僕の肩書きなんて興味ない。みんなが知りたいのは「明日から使える具体的な解決策」だった。
だから僕は変えた。「なぜあなたの企画書が通らないのか」「上司に評価される報告の仕方」「残業を減らす時間術」。フォロワーの日常の困りごとに寄り添う内容に。
デジタル社会で多くの人が見落としているのがこれだ。テクニックやツールばかり追いかけて、画面の向こうにいる「人間」を忘れている。
SNSマーケティングも、合コンも、プレゼンも、営業も、全て同じ原理だ。相手の心を動かせるかどうか。相手が何を求めているかを理解し、それに応えられるかどうか。
AIがどんなに発達しても、人の心を読み取り、共感し、適切に応える力は人間にしかできない。むしろデジタル化が進むほど、この「人間理解力」の価値は高まっている。
僕の数字が上がったのは、この本質に気づいたからだ。
第6章:思考停止か、本質追求か
成功を実感した僕の元に、多くの人から「どうやったんですか?」という質問が届くようになった。
そして僕は気づいた。彼らの質問の仕方に共通する、ある致命的な特徴があることに。
「どんなハッシュタグを使ってますか?」
「投稿時間は何時がベストですか?」
「どのアプリで画像を加工してますか?」
全員が「テクニック」を求めていた。表面的な手法を、簡単にコピーできる「答え」を。
正直に言うと、僕も以前は全く同じことを聞いていた。30万円のコンサルに「成功者のテンプレートを教えてください」と必死にお願いしていた。
しかし、ここに大きな落とし穴がある。
テクニックは所詮、その人の状況や時代背景に依存した「結果」でしかない。僕が使っているハッシュタグが、あなたのアカウントで機能する保証はどこにもない。
本当に身につけるべきは「観察力」だった。相手のニーズを察知し、適切なタイミングで適切な価値を提供する能力。これは一朝一夕では身につかない。
テンプレート思考を捨て、本質と向き合う覚悟はあるか?
楽な道を求め続ける限り、あなたは永遠にノウハウコレクターのまま終わるだろう。
第7章:Q&A・筆者情報
最後に、よくある質問にお答えしよう。
**Q: 観察を始めてから成果が出るまでの期間は?**
A: 僕の場合は2ヶ月だったが、大切なのは期間より「質」だ。表面的な観察を1年続けても意味がない。フォロワーの本質的なニーズを見抜けるかどうかがすべて。
**Q: 具体的にどんなツールを使って分析していますか?**
A: また「テクニック」を求めるのか?ツールは手段でしかない。重要なのは数字の向こう側にいる「人間」を理解すること。
**Q: この方法は他の分野でも応用できますか?**
A: 当然だ。合コンでも仕事でも、人間関係の本質は変わらない。相手を理解し、価値を提供する。これが全ての基盤だ。
【筆者について】
外資系コンサル勤務。3年間のSNS迷走期間を経て、人間観察によるマーケティング手法を確立。現在はフォロワー数より「本当に役立つ情報発信」にフォーカスしている。
📌筆者情報|名無しのマーケターとは
普段は法人向けにマーケティング設計を行う裏方です。
世の中で「当たり前」に見える商品やサービスの背後で、
その“当たり前”をどう成立させるかを考え、実装している仕事をしています。
W杯関連プロジェクトやプロ野球チームのプロモーション、
米国大手の格付け機関で高評価を受けた企業の独立支援なども手がけてきました。
いわば「誰も気づかない形で成果を出す」タイプの黒子的マーケターです。
……そんな人間が、なぜ表に出てきたのか?
理由はただ一つ。
SNS界隈で見かける「ドヤ顔マーケティング論」に対する違和感と、
その裏で疲弊していく“本気で努力している人”の存在にあります。
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