コンビニバイトで学んだお客様観察がSNSマーケティング成功の原点だった話

はじめまして。SNSマーケティングで本質的な成果を追求している名無しのマーケターです。

今日は、私のコンサル生の一人、山田さん（仮名）の実体験をお話しします。彼の失敗談は、多くの方が陥りがちな罠を如実に表しているからです。

山田さんは会社員をしながら副業でSNS発信を始めた29歳。ある日、YouTubeで「フォロワー1万人で月30万稼いだ！誰でもできる7つのテクニック」という教材広告に出会いました。

「これだ！」

藁にもすがる思いで29,800円の教材を購入。内容は典型的な「数字重視」のノウハウでした。

• 毎日3回投稿しろ
• いいね周りを1日500件やれ
• トレンドハッシュタグを必ず使え
• フォロバ率を上げるテクニック
• エンゲージメント率を高める投稿時間

山田さんは愚直に実行しました。朝6時に起きて投稿、通勤中にいいね周り、昼休みに投稿、帰宅後に分析とフォロバ…。

結果はどうなったと思いますか？

確かにフォロワーは増えました。3ヶ月で2,000人まで。でも収益は？ゼロです。完全にゼロ。

彼が私のところに相談に来た時の表情は今でも忘れられません。クマがひどく、明らかに疲弊していました。

「名無しさん、教材通りやったのに全然稼げないんです…何がダメなんでしょうか」

私は彼のアカウントを見て、すぐに問題点が分かりました。フォロワーは確かに2,000人。でも反応は皆無。コメントもDMも来ない。まさに「砂漠のオアシス」状態です。

数字だけ追いかけて、肝心な「価値提供」が完全に抜け落ちていたのです。

山田さんの話を聞いて、私は改めて確信しました。この業界には構造的な問題があると。

なぜSNSマーケティング教材の販売者は、「フォロワー1万人で月30万」「いいね数が10倍に！」といった数字ばかりを前面に押し出すのか。答えは単純です。数字の方が圧倒的に売りやすいからです。

考えてみてください。「顧客の本当の悩みを理解する方法」という教材と、「フォロワー1万人獲得法」という教材、どちらがクリックされやすいでしょうか。明らかに後者ですよね。

販売者は知っているんです。本当に必要なのは、顧客心理の理解や継続的な関係構築だということを。でも、それを教材にしても売れない。だから意図的に「数字」にフォーカスした内容にするんです。

さらに問題なのは、数字を教える方が圧倒的に楽だということ。「毎日3投稿しましょう」「ハッシュタグは30個つけましょう」と言えば、一見具体的なアドバイスに見えます。でも、それで本当に売上が上がるでしょうか？

私のコンサル生で、フォロワー3,000人で月50万稼ぐ人がいます。一方で、フォロワー2万人いても月5万も稼げない人もいる。この違いは何か。それは「誰に、何を、どう伝えるか」という本質的な部分の理解度です。

でも本質を教えるには、販売者自身が深く理解していなければならない。そして、一人一人の状況に合わせたアドバイスが必要になる。これは手間がかかるし、そもそも理解していない販売者も多いんです。

結果として、市場には「数字」を謳う教材があふれ、本当に必要なスキルを教える教材は埋もれてしまう。あなたが感じていた違和感は、正しかったんです。

では、数字に踊らされることなく、本質的にSNSマーケティングで成果を上げるには何が必要なのか。

実は、私がこの答えに気づいたのは、SNSマーケティングを学ぶずっと前のことでした。大学生の頃、地元のファミリーマートでアルバイトをしていた時の体験です。

当時の私は、ただレジを打って商品を陳列する単調な作業だと思っていました。しかし、3ヶ月ほど経った頃、ふとあることに気づいたんです。

「この商品、なぜか毎週金曜日の夕方だけよく売れるな」

気になって観察を続けていると、パターンが見えてきました。近くのオフィスで働く女性たちが、週末前にご褒美として少し高級なデザートを買っていく。平日は98円のプリンなのに、金曜だけは280円のティラミスを選ぶ。

そこで私は、金曜日の夕方だけ、その高級デザートを目立つ場所に配置してみました。結果、売上は1.5倍に跳ね上がったんです。

店長に報告すると、「よく気づいたね。でも、なぜそうしようと思ったの？」と聞かれました。私の答えは単純でした。「お客さんを見ていただけです」。

この体験が、今の私の仕事の根幹になっています。SNSマーケティングで成果を上げている人たちも、実は同じことをしているだけなんです。

特別な技術やツールではありません。ただ、自分のターゲットとなる人たちを「観察」している。彼らがいつ、どんな気持ちで、何を求めているのかを見ているだけです。

「月30万稼ぐテンプレート」なんて存在しません。でも、あなたの商品やサービスを必要としている人たちの行動パターンは、必ず存在します。

コンビニのレジでプリンを買う女性の表情を見ていた私のように、SNSでも同じ「観察力」が最強の武器になるのです。

ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。観察力の重要性、そして立場別の実践法までお伝えしました。

でも正直に言います。多くの方がここで同じ間違いを犯します。

「なるほど、観察が大事なんですね。じゃあ観察のテンプレートを教えてください」

こんな質問を、私は何度も受けてきました。せっかく本質に気づきかけているのに、また「テンプレート思考」に戻ってしまう。これでは意味がありません。

観察力とは、型にはめて身につくスキルではないんです。あなたの業界、あなたの顧客、あなたの商品やサービス。すべてが固有の特性を持っています。

コンビニで私が気づいた「金曜日夕方の購買パターン」は、コンビニという業界だからこそ見えた洞察でした。これをそのまま別の業界に当てはめても意味がない。

本物のマーケターとテンプレート依存者の違い。それは「自分で考え抜く力」があるかどうかです。

数字やテクニックに依存している限り、あなたは永遠に他人の成功事例を追いかけ続けることになります。でも観察力と本質的思考力を身につければ、あなた自身が成功事例を作る側に回れる。

その分岐点が、まさに今なんです。