先行者利益という存在しない利益と、影響力(知名度)というムダ装備と
前回は、しっかり本質的なネットマーケを理解するための、今までの歴史に関して書きました。まだ読んでない方はこちらからどうぞ
どうも、名無しのマーケターです。
今回は、ビジネス初心者がやらかしがちなこと2つについて言及していきます。それが↓の2つです。
- 先行者利益を狙う
- 影響力(知名度やフォロワー数)をつけようとする
もし、この2つが必要だとあなたが思い込んでいるなら、あなたはもう巷のインフルエンサーの方々にいい感じに洗脳されているということです。もう8割は金太郎飴ができあがってます。あと2割で完全なる金太郎飴となり、5年後に「こんなはずじゃ…」となる準備が完了します。
ズバリ言いますけど、こんなものなくても全然問題なく収益を作ることはできます。ソースは私。先行者利益なんて取ったことなければ、フォロワーもいません。
けど、巷のインフルエンサーは大声で「この2つが大事だよー!」と叫び続けます。なんでかわかりますか?
彼らは”俺様みたく成功するための方法を売ること”が収益源だからですよ。簡単な話です。でも、彼らの声はとても大きいので、何も知らない無垢な人たちは、それを妄信してしまうわけです。
さて、もし自分が8割金太郎飴になってるなあ…と感じたなら、この記事をしっかりと読んで、その状態をぜひ脱してください。
先行者利益も、影響力も、すべて幻
確かに”概念”としては先行者利益も影響力もあります。実際、先行者利益をつかんで成功した人もいれば、圧倒的な影響力を武器に活躍している人はいます。
が、ちょっと質問です。
何をもって先行者利益だと思ってますか?
先行者利益は大事っていろんな人が言いますが、それが先行者利益だと、どうしてわかるんでしょうか。
その市場が小さくてニッチだから?
今後伸びることが”確定”している市場だから?
うーん、市場が小さくてニッチなのは、単純に人気がなく需要が小さいだけで、そのままニッチで終わる可能性もあるのですが…。また、今後伸びるって言いきれる理由ってなんなんですかね。その人は未来からきたジョン・タイターかなにかなんですかね。私はお湯をいれれば3分後にカップラーメンができる程度の未来までしか”確定”とは言い切れないので、すごいなって。
まあせいぜい有名人()が「次はこれが来る!」って言ってたとか、なんとなくお祭り感があるとか、その程度でチープに”先行者利益”と騒いでるだけではないでしょうか。
そもそも、誰かが目をつけて騒いでいる時点で、それは先行者利益ではなくなってますよね。ファーストペンギンどころか、サードペンギン以下くらいのタイミングでしょう。その場合は、その有名人()が稼ぐために市場を作っていて、あなたはそれにつられた”先行者利益が取れる気になっているカモ”でしかありません。
現に、過去にインフルエンサーがこれでもか!って騒いでいたもので、VALUやclubhouseというサービスがあるのですが、これがどれくらいの期間でどうなったかをぜひ調べてみてください。
また、市場にお祭り感が出ているときは、明確に赤信号です。
例えば仮想通貨。ネット上でビットコイン!WEB3!って騒がれまくっているときは、大抵チャートをみると値が上がりまくっています。あなたはチャートの赤○時点でお金を突っ込むタイプですか?ここって先行者利益になりますかね…。
これはアドバイスですが、一般人レベルまで過熱感を感じ取れるその時点で、ソレはオワコン化にほぼ両足突っ込んでいる状態です。
今でいえば、AIだなんだって盛り上がってますが、その盛り上がりに感化されて、AIをテーマとしたものに夢中になっていたとしたら、それは本当に要注意ですよ。そうやって動画編集スキルやプログラミングスキルが陳腐化していったのを、もうあなたは理解できているはずです。
影響力の”いいところ”だけ見てませんか?
「大いなる力には、大いなる責任が伴う」
という言葉があります。聖書にもあるし、スパイダーマンの映画が好きな人なら聞いたことがあるかもしれませんね。影響力という力も、これと一緒です。
なぜ、アンジャッシュ渡部の不倫はあそこまで問題になったのか
いうてたかが不倫ですよ。よく考えてみて。
例えば私やあなたのような一般人が不倫したとしましょう。多目的トイレで多目的な行為に及んだとしましょう。
これがバレたとして、せいぜい身内の中で干されて果てしなく白い目で見られる程度の話題にしかならないですよね。全国や世界に報道されることもないし、社会的抹殺をされることもありません。仮にSNSで広まったとしても「誰やねん」で終わる話です。
仮に私が3股してましたってここでカミングアウトしても、おそらく「お、おう…。どしたん急に…」くらいの温度感にしかなりませんよね。逆もしかりです。
しかし渡部さんはもうこれでもかってくらいに叩かれました。正直、あれで被害被っているのは佐々木希さんやスポンサーくらいです。ほとんどの方は無関係だったはずです。
もちろん、不倫はいいことではないし、多目的トイレで多目的するのは褒めれたものではありません。けど、ぶっちゃけ日本全国で多目的トイレで多目的している人間など腐るほどいますし、不倫にいそしんでいる人も腐るほどいます。たぶん今この記事書いている時間も、日本のどこかで起こっているレベルの事象です。
余談ですが、私の学生時代の友人でもそういうけしからんことしている奴はいました。
しかし、そいつに対しての反応は、男子なら「なにしてんw」女子なら「さいてー(ヒソヒソ)」といった感じです。なんならヒソヒソしていた女子は後日そいつと多目的してましたし。とてもではないですが社会的抹殺なんて起きえません。
渡部さんのした行為自体は、今日も地球のどこかで呼吸かのように起きているレベルの”ありふれたもの”です。
なのに、渡部さんがそれをしたら「明日、日本に巨大隕石が落ちます」みたいな規模になったわけです。
その理由、わかりますか?
答えは簡単です。
彼が”有名だった(影響力があった)から”です。
影響力は、加速度的に逆回転する
普段は、影響力は順回転します。
- 有名人が言っているから正しい
- 知名度のある人が言っているんだから信用できる
- 口コミも、プラスのものが起きやすく、拡散もされやすい。
知名度がある=単純接触効果が働くため、基本プラスの影響が多くなります。だからインフルエンサーや芸能人は稼げるし、モテるわけですね。
しかし、光が強ければ、影も深くなるのは自然の摂理。その影のほうが勢力が強くなる時があります。
それが”影響力の逆回転”です
”衆目に晒されている”とか、”たくさんの人に知られている”といった状態は、逆に言えば知られたくない情報が出回った場合も、同じように知られてしまう…ということです。
それどころか、人間はネガティブな話題の方がより食いつくので、そちらの方がより多くの人を巻き込み、普段の数倍のスピードと規模感で拡散されていきます。厄介なのは、普段は興味を持っていない層も乗っかってくるので、マイナス影響の際の拡散力のほうが圧倒的に強くなること。
知名度や影響力を使う商売は、所詮キャラクタービジネスです。人に悪い印象を持たれたい人は基本いないので、いい印象を必然的に作りますよね。
でも、影響力の逆回転が起こった場合は、今までの”いい印象”が強かった分だけ、「やっぱりこいつカスだったんだ」と、より強く”悪い印象”が上書きされてしまうわけです。裏切られた気分になってしまうんですね。(勝手に妄信したのは自分なのに…笑)
で、こうなるとイメージ回復のためになにかしても「いい人ぶってるだけ」とジャッジされてしまうようになるんですよね。そういう経験、ありませんか?
これが、影響力に依存することの最大のデメリットです。
では、嫌われ役で影響力を作ったら?
芸能人でいえばクロちゃんがそういうタイプですよね。実際「裏ではこんないい人」という話題もでたりなど、嫌われ役として好感を持たれています。
この場合の影響力の逆回転=一般的な角度から見た影響力の順回転になるので、無敵感は正直ありますよね。怖いヤンキーが動物やお年寄りにやさしくしてると3割増しくらいで好感度あがりますし、クラスの陰キャが急に男らしいところ見せると割り増しでかっこよく見えたり…とかそういうマンガでありそうなアレ。
でも、これもですね、正直言えばおすすめしません。
なぜなら、クロちゃん的な立ち回りは非常に難易度が高く、あれを我々凡人がやったら”普通に嫌な奴”として、嫌われ役というか普通に嫌われます。笑
だからああいうキャラってテレビでも少数派じゃないですか。
でも、本当にダメなことをしたら、それはそれで「ああやっぱりね」ってなるわけです。
例えば酒にだらしなくてやらかした人が、それを克服して…っていう見せ方をし、人気になったとしましょう。断酒コンテンツやセミナーなどをして、アルコール依存で悩める人に手を差し伸べることを仕事にしていたとします。あなたはそれを見て「すごいな。かっこいいな」と思っていたとしましょう。
しかし数年後、ひょんなきっかけで泥酔して暴れている動画が出回ったら、あなたはどう感じますか?「やっぱりな…」ってなりません?
影響力や知名度は、ついた以上に自分の潜在ダメージも蓄積していく諸刃の剣
影響力は、うまく回ればとても威力のある武器ですが、その代わり反動が相当大きいです。
まるでポケモンの世界の”すてみタックル”のような感じ。または毒状態になるとバフがかかるが、自分もじわじわダメージが蓄積していくアイテムみたいな。どこかで与えるダメージ<波動のほうが大きくなり、瀕死の状態になってしまいます。
大抵、そういうのは絶頂期に起きるものです。
実績だとかは積みあがるまでに時間が必要ですが、崩れるときは本当に一瞬。バブル崩壊も、リーマンショックもある日突然やってきて、一夜にして歓喜は阿鼻叫喚に代わりました。まさに一つ前の記事で解説した”振り子の法則”そのもの。片方に振れ続ける振り子はありません。
例えば「勝てば利益が2倍!でも負けたら損失は5倍!」みたいな勝負があったら、あなたはやりますか?
私は絶対しません。やる人は誰がどうみても”おバカ”ですよね。どう考えても最終的に破滅がみえている勝負なんて誰もしません。
しかし、ネットにはそんな最終的には破滅する蓋然性が高い勝負を、大きな声で聖杯かのように宣伝している人と、それに群がり貴重なお金と時間を使っている人がわんさかいます。なぜか、ビジネスの場面ではそういうマイナス面に目がいかない人が多いのなんの。
知名度関係がなく、破滅しない態勢を整えて着実にやっている身からすれば「狂ってるなあ」と思います。
真の安定を得る人は、先行者利益も影響力も興味がない
なぜなら、必要がないからです。瞬間的な成功や利益より、ゆっくりと着実に継続する利益のほうが最終的に得られる果実が大きいことを理解しています。
見渡せば、爆発力はそこまでなかったが、10年20年経過しても価値が衰えないものは、私たちの身の回りにたくさんあります。
先行者利益なんて意味がないことの証明
例えばUNIQLO。
UNIQLOは別に世界一のアパレルでもなければ、世界初のファストファッションではありません。もっと前から存在するブランドなんてたくさんありますし、瞬間的なヒット作はむしろほかのブランドのほうがでているでしょう。しかし、10年以上前からしっかり業績は伸び続けていて、今後10年たっても世界中の人がUNIQLOの服を着ているのは容易に想像ができますよね。
例えばレミオロメンの3月9日という曲。
これは20年近く前の曲ですが、世代を超えて令和の現在でも卒業シーズンには毎年思い出すように再生される季節の代名詞のような曲になっています。発表当時も、オリコンチャートではもっと上位の曲もありましたし、春の代名詞的な曲も他にありましたが、20年たった今でも聞かれているかといえばそうではありません。でも、3月9日は聞かれます。
もちろん、最近はやりの曲のほうが瞬間的な人気はありますし、再生数も多くなるのでしょうが、最近の曲は3か月もすれば飽きられるように、すぐに消費されます。1年後にはあまり聞かないような曲ばかり。
ビジネスに置き換えるなら、我々が作るべきは”瞬間最大風速はすごいが、それで終わりなもの”と”世代を超えて価値が衰えない定番のもの”どっちだと思いますか?
個人の影響力が不要である証明
例えば、我々が普段何気なく使っている日用品。例えば歯ブラシ。
これって誰が企画して、誰が商品開発して、誰がマーケティングを仕掛けているか…知ってますか?企業のブランドに関して、そこまで知ってますか?たぶん、たまたまお店で買った歯ブラシがたまたまLION製だった…みたいな感じじゃないですかね。
恐らく日本国民のだれもが知っているであろう無印良品。服や化粧品や家具など、一度は手に取ったことあるでしょうし、愛用している人も多いでしょう。
じゃあ、この創業者って誰かしってますか?今の社長って誰かしってますか?また、SNSってみたことありますか?いちいち発信してドヤッているの、見たことないですよね。時価総額6800億の企業を経営するためのノウハウ…なんてものを売っていることも見たことがないはずです。
また、無印良品の商品群も、誰が企画開発し、マーケティングを仕掛けたかも知らないでしょう。それでも、毎日無印良品には多くの人が通い、商品を愛用しています。
個人の影響力がないと、商品が売れないというのは嘘です。必要なものは、商品そのものの価値だけなんです。
誰もがわかるような栄光なんぞ必要ない
いろんな人に知られ、いろんな人にチヤホヤされる人生は、それはもう輝かしいものに見えます。しかし、そこで寄ってきた人たちのほぼすべてが、あなたの栄光に群がっている魑魅魍魎です。虎の威を借りに来ている人、おこぼれを頂戴しに来ている人、あなたから財産をかすめ取ろうと画策する人など様々。
その魑魅魍魎は、あなたという神輿を担ぐことで、短期的にはあなたを成功者に仕立て上げてくれます。あなたが輝いているうちは、ね。
しかし長期的には、あなたを消費し貪るハエにはなります。
光に群がりおいしい思いをたくさんしたあと、いつしかあなたに影響力の逆流が起こりその光が陰りだしたとき、そのハエたちは蜘蛛の子を散らすかのようにいなくなります。そしてあなたが死体になったら、あなたの死体をもてあそんで娯楽とするでしょう。助けを求めても、ハエはテイクするだけでギブはしてくれません。次なる光に群がるのみ。
そんなのいらなくね?って、私は本気で思うのですがいかがでしょう。
私自身は、誰にも知られていないのでハエに侵食される心配は一切ありません。
ラーメン店にいっても誰も何も気づきません。ただのおっさんにしか見えないでしょう。どんなに淫らでけしからんことをしていても、誰も何も言いませんし、誰も私だなんてわかりません(そういう機会もないですが涙)
仮に家族や子供がいたとして、過去につけたデジタルタトゥーが家族の足を引っ張る可能性もありません。そもそもデジタルタトゥーと無縁な生き方なので。
どっちのほうが安寧を得られるでしょうか?
我々に必要なことは”当たり前のようにそこにあるもの”になること
誰もが魅了されるような魔力はないけど、誰もが必ず必要とするもの。ゆるぎない価値があるもの。
例えば、日々食卓に並ぶお米。お米はもうあることが当たり前になりすぎて、その価値を感じにくくなっていますよね。
しかし、インフルエンサーはいなくなっても困りませんが、お米がなくなったら非常に困るでしょう。毎日パンってしんどいですから。他、上下水道やガスや電気などのライフラインもそうですね。当たり前のように使っていますが、当たり前のように毎月お金を支払っているはずです。
「水道水うめえええええ」なんてもてはやすことはないですが、今日から水道止まりますってなったら非常に困りますよね。だから毎月毎月どんなに物価が上がろうがお金を払うわけです。
お米もそうです。5kgで2000円程度の微々たる金額しか動きませんが、全人類に当たり前にあるだけで価値を提供しています。そしてそこに対価を当たり前のように払うことで、農家さんが稲を育てます。それによって、お米という種は弥生時代より生き永らえているわけです。これはどんなビジネスよりも長寿ですよね。
我々は、そういう派手さはないが強く根付くことで永く存続するビジネスをしていくべきです。
だから、影響力や知名度なんていらない。先行者利益なんていらないんです。それは幻であり、あなたの進む道を間違わせるだけのものだということ。惑わされないでほしいと心から思います。
では、そういったビジネスはどう構築していくのか?それに次の記事で触れていきます。
次の記事⇒ビジネスにおける「伸張反射」について